- 床下エアコンってどんな仕組み?
- 床下エアコンのメリット・デメリットを知りたい
- 床下エアコンを採用できる工務店やハウスメーカーを知りたい
「『床下エアコン』ってシステムを聞いたけどどんな仕組み?」
「エアコン1台で全館空調ができるって聞いたけど、デメリットはないの?」
私は家づくりについて調べる中でエアコン1台で全館暖房ができる「床下エアコン」という画期的なシステムを知り、知れば知るほどそのメリットに魅了されました。
そして、絶対に床下エアコンを採用している会社でマイホームを建てたい!というのが、我が家の工務店エコワークスと契約した理由の一つです。
床下エアコンは初期コストもランニングコストも小さく、全館暖房が実現できるから超オススメだよ!
この記事では床下エアコンの魅力について、他のさまざまな全館暖房の方法と比較しながら徹底解説していきます。
床下エアコンとは?
床下エアコンは「1階の床下に設置したエアコンを使って、床下空間に暖気を送り家全体を暖める方法」です。
市販されている普通のエアコン1台でお風呂やトイレなど、家中どこでも暖かくできるのが一番のメリットです。
他にもたくさんメリットがありますので、紹介していきます。
床下エアコンのメリット
まず最初に床下エアコンのメリットをまとめますね。
- トイレやお風呂を含めた全館暖房ができる
- 足元から暖められる
- 初期コストと維持コストのどちらも安い
- エアコンの風が直接当たらず快適
- 定期的なメンテナンスも簡単
- エアコンが見えないためデザイン性が良い
トイレやお風呂を含めた全館暖房ができる
全館暖房のメリットには大きく2つあります。
部屋の移動でストレスがなく家を広く使える
あなたは冬の廊下やトイレ、脱衣室が寒くて、部屋から出るのがおっくうな気持ちになったことはありませんか。
私の実家も家自体は広いのに冬はLDKばかりで他の部屋は使っていない「広いけど狭い家」になってしまっています。
しかし、床下エアコンでは温められた床下空間が1階全体に広がっているため、居室と廊下、その他の部屋の温度差がありません。
高気密高断熱にして全館暖房をすることで、たとえ30坪程度の決して大きくない家であってもそれを最大限広く使うことができます。
ヒートショックを防ぐことができる
部屋から出るストレスがなくなるだけでなく、ヒートショックの予防にも役立ちます。
ヒートショックは、急激な室温の変化によって血圧が急上昇と急低下を起こし、脳卒中や心疾患を発症する現象のことをいいます。
暖かい居室から寒いトイレやお風呂に移動した際に起きるとされていて、年間の死者数は交通事故より多いと言われています。
床下エアコンではトイレやお風呂も暖かく保たれるので、ヒートショックのリスクを小さくすることができます。
足元から暖められる
床下エアコンは一般的な全館暖房と違い、足が直接触れている床自体が暖かくなるため、室温以上に体感温度が暖かく感じます。
冬の床が冷たくてスリッパを履く人は多いですが、床下エアコンの場合はむしろ裸足でいたくなる心地良さがあります。
冷え性の人に特におすすめですし、小さな子供や高齢者にも優しいです。
初期コストと維持コストのどちらも安い
断熱性能にもよりますが、30坪〜40坪程度の家だと8畳〜14畳用エアコン1台で床下エアコンができるため、床暖房や全館空調と比べて初期コストがかなり安く済みます。
各居室にエアコンがある場合は数年ごとに買い替えの費用も高くなりますが、冬用含めても2台しかエアコンがありませんので、修理費用や買い替えコストも抑えることができます。
エコワークスオーナーの「s.a.home」さんのインスタグラムからの引用ですが、エアコンは最も暖房効率が良い暖房器具なので、オール電化で全ての電気代を含めても月に1〜2万円で生活が可能です。
エアコンの風が直接当たらず快適
床下エアコンは床下空間に暖気を送っているので、床のガラリからふわっと風が出ているだけです。
エアコンの風が直接体に当たることがないので不快感がなく、肌の乾燥も防ぐことができます。
定期的なメンテナンスも簡単
全館空調と違い床下エアコンは市販のエアコンを利用するため、メンテナンスを簡単に行うことができます。
具体的には、はたきや掃除機でフィルター周りのほこりを掃除するだけでOKです。
エアコンが床の低い位置に設置されていることも掃除がしやすいことの一つです。
オーナーさんのお掃除動画を載せておきますので、気になる人はみてみてください。
床下空間にはほとんどゴミやほこりは落ちませんが、年に1回程度ガラリから掃除機で見える範囲の埃を吸えば大丈夫です。
エアコンが見えないためデザイン的にもすっきりしている
床下エアコンのエアコンは間取りによっても設置する場所が変わりますが、リビングの造作テレビボードやウォークインクローゼット、階段下収納に設置することが多いです。
隠れているため部屋がすっきりしてデザイン性の高い空間を作りやすいです。
エアコンが見えていると生活感が出てしまう よね。
直接的なメリットではないですが、嬉しいポイントですね。
床下エアコンのメリットまとめ
- トイレやお風呂を含めた全館暖房ができる
- 足元から暖められる
- 初期コストと維持コストのどちらも安い
- エアコンの風が直接当たらず快適
- 定期的なメンテナンスも簡単
- エアコンが見えないためデザイン性が良い
床下エアコンについてのおすすめ動画も載せておきますので、歴史など含めて詳しく知りたい人は見てみてください!
他の暖房方法との違い
壁掛けエアコンとの違い
壁掛けエアコンは一般的な壁に設置したエアコンで暖房することです。
高気密高断熱住宅の場合、壁掛けエアコンでも1台〜2台で全館暖房することができますが、床下エアコンとの大きな違いがあります。
壁掛けエアコンでは、部屋のドアを閉めている場合は他の部屋に暖気が回りにくくなるので、ドアは開けておく必要があります。
一方、床下エアコンは家中の床下空間に暖気が回るので、ドアを閉めていても全ての部屋を暖かくすることができます。
また、直接体と接する床が一番暖かいため足元が冷たくなることはなく、体感温度はより暖かく感じます。
- 壁掛けエアコンは各部屋のドアを開けておく必要がある
- 床下エアコンは足元から暖め、体感温度も高くなる
床暖房との違い
床暖房は床自体に電熱線や温水パイプを配線し、床を直接暖める方法です。施工できる会社も多く、足元から暖かくできるため人気があります。その点は床下エアコンと似ています。
しかし、デメリットとしては床全体に電熱線を這わせる必要があるので初期コストが高く、一般的には1坪あたり10万円〜20万円かかると言われています。
30坪の全館床暖房と仮定すると、初期コストは300万円〜600万円かかる計算だよ。
また、日々の電気代も温水式であればエアコンと同程度ですが、電熱式であればエアコンの1.5倍くらいの電気代がかかります。
熱で反ってしまうため無垢床を選べないというデメリットもあります。
一方、床下エアコンは床暖房と同様に足元から家中を温めることができます。
市販のエアコンを使用するため初期コストが10万円〜20万円と小さく、壊れても買い替え費用が安いのが大きなメリットです。
注意点として、熱が逃げないようにするため床下エアコンは高気密高断熱が必須で、少なくとも断熱等級6は必要になります。
他の暖房方法の場合でも断熱性能が高い方が電気代は安く済み、部屋の中の温度ムラも少なくすることができます。
床下エアコンでは断熱材に囲まれた床下空間を作る必要があるので、床断熱ではなく基礎断熱で家を建てる必要があります。
基礎断熱は床断熱に比べてシロアリに弱いので、より一層しっかりとした対策をする必要があります。
基礎断熱でも防蟻処理をしっかりすれば全く問題ないよ。
建築会社が変わるので一概に言えませんが、基礎断熱と床断熱の施工コストに大きな違いはありません。
- 床暖房は足元から暖める点は床下エアコンと同じ
- 床暖房は初期コストが高くなりがち
- 床下エアコンは初期コストや買い替えコストが安い
- 床下エアコンは基礎断熱が必須
- 基礎断熱はより入念なシロアリ対策が必要
全館空調との違い
全館空調は床下エアコンと似ているシステムですが、床下ではなくそれぞれの部屋自体をダクトから送られた暖気で温めます。
業務用の大型空調機を使うことが多いため初期コストが100万円〜300万円と高く、壊れた時の修理・交換費用も高くなります。
また、埃が溜まったりカビが生えたりすることがあるため、全館空調では定期的なダクトの清掃が必要です。
清掃は専門の業者に依頼する必要がありますが、高額な清掃費用がかかる場合があります。
一方、床下エアコンはダクトは使用せずに床下空間に風を送るだけですので、特別な清掃は必要ありません。
- 全館空調は初期コストが高い
- 全館空調はダクトの清掃が必要で、清掃費用も高額になりうる
各全館空調システムのまとめ
以上をまとめると下記のようになります。
壁掛けエアコン | 床下エアコン | 床暖房 | 全館空調 | |
---|---|---|---|---|
温める場所 | 居室 | 床下空間 | 床 | 居室 |
システム | 市販のエアコン | 市販のエアコン | 電熱線や温水パイプ | 空調機 |
全館暖房 (高気密高断熱が前提) | ある程度 | 可能可能 | 家中に敷けば可能 | 可能 |
初期コスト | 安い | 安い | 高い | 高い |
電気代 | 安い | 安い | 電熱式は高い | システムによる |
メンテナンス | エアコンの清掃 | エアコンの清掃 | 不要 | ダクトの清掃 |
床材 | 何でもOK | 何でもOK | 無垢床NG | 何でもOK |
リフォームで導入 | できる | 大規模改修なら可 | できる | 大規模改修なら可 |
施工会社 | 問わない | 限られる | たくさんある | 限られる |
シロアリ対策 | 通常通り | 重点的に | 通常通り | 通常通り |
床下エアコンのデメリット
まず床下エアコンのデメリットをまとめます。
- 冷房用には使用できない
- 故障した場合は代わりの暖房器具が必要
- シロアリ対策をより重点的にする必要がある
- 故障時にメーカー保証が効かない可能性がある
- 食べ物が傷まないように注意する
冷房用には使用できない
床下エアコンは床下から天井方向に向かって軽い暖気が上がって行くように設計されているため、空気の流れの観点から冷房には適していません。
したがって多くの場合、冷房用として2階や吹き抜けの上にもう1つ壁掛けエアコンをつけることが多いです。
仮に冬用を1つ付けても家全体でエアコン2台だからとても経済的だね。
故障した場合は代わりの暖房器具が必要
家全体を1台のエアコンで暖めているため、床下エアコンが故障すると暖房が使えなくなってしまいます。
しかし、上記のように冷房用としてもう1台のエアコンを設置している場合が多いので、冷房用エアコンを暖房用に使って対応することが可能です。
また、定期的なメンテナンスを行うことで故障を防いだり、年数が経ったエアコンは壊れる前に買い替えておいたりすることも大切です。
シロアリ対策をより重点的にする必要がある
上でもお伝えしましたが、床下エアコンは基礎断熱が前提となります。
基礎断熱は床断熱に比べてシロアリに弱いため、より入念なシロアリ対策が重要です。
例えば、防蟻剤を加圧注入した木材(緑の柱)を構造材に用いたり、シロアリが侵入する可能性がある隙間をしっかり埋めておくなどすることが必要です。
故障時にメーカー保証が効かない可能性がある
床下に設置するという通常とは異なる使い方のため、エアコンのメーカー保証が適用されない可能性があります。
設置前に建築会社と保証内容をしっかり確認しておくことが大切です。
また、工務店によっては独自の保証制度を設けている場合もあるため、その点も確認すると良いでしょう。
食べ物が傷まないように注意する
床下エアコンでは床が暖かいため、食べ物を直接床に置くと傷みやすくなります。
特にふるさと納税などでたくさん届いたお米や果物などの保存には注意が必要で、棚の上や冷蔵庫、玄関土間、屋外などに置くと良いでしょう。
導入時の注意点
経験豊富な工務店に依頼する
床下エアコンの暖気を家全体にしっかりと回すためには、経験とノウハウが必要です。
高気密高断熱が前提であること、暖気がうまく家中に回るような基礎を作ること、シロアリ対策をしっかりする必要があることなど、導入経験が豊富な建築会社に依頼することが重要です。
不慣れな会社に依頼してしまった場合、エアコンから遠い部屋が温まらなかったり、シロアリで家がボロボロになってしまったりするリスクがあります。
特殊な間取りへの注意
コの字型や細長い間取りなど複雑な間取りになっている場合、暖気が家全体に行き渡らないことがあります。
その場合はエアコンを2台にするなどの対策が必要です。
事前にしっかりとシミュレーションを行い、暖気の流れを確認しておくことが重要です。
床下エアコンが施工可能な建築会社の調べ方
床下エアコンを導入したい人へ建築会社の調べ方をお伝えします。
ハウスメーカーは対応していない
残念ながらハウスメーカーで床下エアコンの施工を行なっているところはありません。
そもそも床下エアコンは工務店業界の中から始まったシステムで、工務店の横のつながりで技術が伝わっていっているのです。
ハウスメーカーは大規模に床暖房や全館空調などのシステムを採用しているところが多く、コストも安く提供している場合があるため、比較検討してみると良いでしょう。
施工可能な工務店の選び方
では、工務店をどのように探したら良いでしょうか。
大前提として断熱等級6以上の高気密高断熱でなければ、熱が逃げてしまうため床下エアコンは機能しません。その上で床下エアコンを導入している工務店を探しましょう。
探す際には、下記のポイントに注目すると良いと思います。
- 断熱等級6以上を標準仕様としている(高断熱)
- C値 1.0以下を標準仕様としている(高気密)
- 床下エアコンを標準仕様としている(施工に慣れている)
- 床下エアコンの施工年数が数年以上ある(最近始めたわけではない)
- 長期優良住宅を取得している(最低限の防蟻処理)
- ホウ酸系の防蟻剤や防蟻剤加圧注入の構造剤を使用している
- ホームページやYoutube、SNSで正確な情報発信をしている(会社の信頼性)
探す最初のステップとしては、高気密高断熱の工務店一覧を掲載している「全国工務店リスト(構造塾)」や「家づくり百貨」を参考にすると良いと思います。
全国工務店リスト
耐震についての第一人者である佐藤さんが運営する「構造塾」が提供する「全国工務店リスト」は、高性能な工務店を探すのにとても役立ちます。
このリストに載っている工務店は性能を重視した工務店が多いです。
私もこのリストがきっかけで我が家の工務店エコワークスを見つけました!
ちなみに、構造塾の佐藤さんは「耐震・構造」で知らない人はいないくらいのプロ中のプロです。
耐震についての有益な動画もたくさんありますので参考にしてみてください!
家づくり百貨
「家づくり百貨」は兵庫県で高性能住宅を手掛けている「クオホーム」の本田さんが運営しているサイトです。
本田さんが認める全国の性能を重視した工務店が掲載されており、こちらのサイトも信頼性が高いです。
クオホームのYoutubeチャンネルも有益な情報ばかりですので、興味がある人はぜひ見てみてください。
新住協会員かチェック
性能について重視している工務店団体の「新住協」に加盟している工務店かどうかも、選ぶ際のポイントです。新住協会員は性能について意識が高く、ちゃんと勉強していることが期待できます。
ただ、最近は「新住協」に加盟していることを売りにしているだけで、勉強や新住協活動をしていない『幽霊部員』工務店もいるようですので、加盟しているからといって盲信しないことも重要です。
最後は自分の感性を信じる
情報収集も大事ですが、最終的に決めるのは自分の感性です。
性能についてイメージやポエム(「木の温もりで暖かい」「通気性が良い素材だから涼しい」など)ではなく、ちゃんと客観的なデータに基づいた説明があるか。
担当営業さんの人柄や誠実さ、質問には明確な回答があるか、極端なセールストークや他社批判がないか。
モデルハウスの素材や質感、雰囲気が自分たちの好みと合っているか。
ホームページや資料からは分からないところを実際に自分の五感で感じることがとても重要です。
パンフレットやホームページでは良さそうだったけど、実際に見てみるとなんか違ったってことは良くあるよ!
まとめ
床下エアコンは初期コストや維持コストが安く、全館暖房が実現できるとても魅力的な方法です。
あなたの地域に施工できる工務店があればぜひ見学に行って話を聞いてみてください。
我が家の工務店(エコワークス)は住宅性能も床下エアコンの実績も十分ですのでとてもオススメです。
興味がある方はぜひご連絡くださいね!
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