家づくりを考え始めると、誰もが一度は耳にする「高気密高断熱住宅」。
でも、単に「暖かくて光熱費が安くなる」という話だけで、具体的にはどんなメリットや注意点があるかをちゃんと理解している人は少ないです。

私もマイホームを建てるにあたって「絶対に性能で後悔したくない」と、1000本以上のYouTube動画や20冊以上の書籍で必死に勉強しました。
そのおかげで素晴らしい工務店と出会い、最終的にはとても満足したマイホームを建てられたと自負しています。
しかし、住宅会社の仕様や技術力を素人が見極めるのはとても難しく、家づくりに失敗する可能性もあると痛感しました。

数千万円のローンを組む人が多いから絶対後悔したくないよね。
この記事では高気密高断熱の基礎知識やメリット・デメリット、さらに高気密高断熱住宅を扱う住宅メーカーの選び方までトータルに解説しています。
「これから家を建てようかな」と思っている人はもちろん、「高気密・高断熱はなんとなくは理解しているけどちゃんと勉強したことはない」という人にも役立つ内容になっています。
- 高気密高断熱についてもっと詳しく知りたい
- 高気密高断熱のデメリットを知りたい
- 失敗しない住宅会社選びがしたい
高気密高断熱住宅の基礎知識
まずは高気密と高断熱の違いや定義について説明していきます。
高気密と高断熱の違い
高気密:隙間をいかに減らして空気や湿気の出入りを防げるか
高断熱:断熱材と窓の性能で熱の出入りをどれだけ抑えられるか
気密と断熱は全く異なる概念です。
気密は壁や床、天井の隙間を小さくすることで、家の内外の空気や湿気の出入りを防ぐものです。一方、断熱は断熱材や窓の性能を上げることで熱の出入りを抑えるものです。
どちらか片方だけに力を入れても不十分で、両方をしっかり高めることが家づくりには重要です。
高気密高断熱の定義
まず、結論として「高気密高断熱」の明確な定義はありません。したがって、住宅メーカー側としては特に根拠もなく謳うことができてしまいます。


しかし2025年現在としては、断熱等級6以上(UA値0.46以下)、かつ、C値 1.0以下(もしくは、0.5〜0.9以下)を高気密高断熱という場合が多いです。
寒い地域ではこれ以上の性能が必要な場合もありますが、日本の多くのエリアではこれくらいを最低ラインとして見ておくと良いでしょう。



断熱等級(UA値)とC値についてはこの後詳しく解説するね。
実際にハウスメーカーや工務店が「高気密高断熱」を謳う場合、建築中(もしくは建築後)にしっかり気密測定を行ってくれるかどうかが大切なポイントになってきます。
高気密住宅の特徴
まず気密について解説します。
- 隙間を減らして冷暖房効率を上げる
- 結露や家の耐久性に影響する
- 換気効率にも直結する
- C値(相当隙間面積)で評価する
隙間を減らして冷暖房効率を上げる
床や壁、天井の隙間を減らすことで気密は高くなります。家の内外の空気が出入りしにくくなるため、夏場は冷房を、冬場は暖房が効きやすくなります。


暖かい空気は上に上がって冷たい空気は下に溜まります。気密が低いと冬は天井付近から暖気が逃げていき、床付近から冷気が入ってくる現象が起きてしまいます。
結露や家の耐久性に影響する
「結露」と聞くと、窓ガラスにできる水滴を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
でも住宅で本当に注意すべきなのは、窓の結露ではなく「壁の中の結露(壁内結露)」です。実は、この壁内結露を防ぐことこそが、家づくりで最も大切なポイントなのです。


気密が低いと、冬の湿った暖かい空気が壁の中で冷やされて結露してしまいます。夏は基本的にその逆のことが起こりますが、壁の中に結露が生じることは同じです。


左:断熱材+気密シートでリノベ—ションした壁
壁内結露が生じると断熱材がボロボロに劣化したり、柱などがカビて耐震性が低下したりしてしまいます。
気密は断熱性や耐震性、家の耐久性を維持するためには欠かせないポイントなのです。
換気効率にも直結する
「気密が高いと息苦しそう」という固定観念がありますが、全くの間違いです。


気密が高ければ、空気が排気口から出た分だけ吸気口から入ってくるため、部屋の空気は綺麗に保たれます。
しかし、気密が低く隙間が多いと吸気口以外からも空気が入ってきてしまい、汚れた空気が溜まってしまいます(ショートサーキット現象)。
C値(相当隙間面積)は0.7を目標に
気密はC値(相当隙間面積)という数値で評価します。


C値とは家全体の隙間を床面積で割った値で、C値が小さいほど性能が高いです。
家の性能を維持するためにC値は0.7前後(0.5〜0.9)以下が必要と言われています。
現在では、C値0.5以下を目指す住宅会社も増えており、中には0.1を下回るスーパー工務店も存在します。



気密については詳しく下記の記事でも解説していますので、詳しく勉強したい人は見てみてね。


高断熱住宅の特徴
次に断熱について解説します。
- 断熱材の厚みと窓の性能が重要
- UA値(外皮平均熱貫流率)は0.46以下が望ましい
- 断熱等級は6以上が望ましい
断熱材の厚みと窓・ドアの性能が重要
断熱性を担保するのは壁の断熱材と窓・ドアが重要です。
断熱材の種類はたくさんあり、性能の高い断熱材を入れるに越したことはありませんが、その分価格が高くなってしまいます。
厚みも大事なので、コスパの良い断熱材を厚く入れることがポイントです。


また、熱は夏は7割、冬は5割が窓から出入りします。
断熱材より窓の性能がより重要であり、窓のサッシ(フレーム)が樹脂でガラスが2重(ペアガラス)から3重(トリプルガラス)の窓が必須です。
UA値(外皮平均熱貫流率)は0.46以下が望ましい


「UA値(外皮平均熱灌流率)」は建物全体の断熱性能を示す数値で、「家全体で逃げる熱の量」を「家の表面積」で割った値です。
UA値が小さいほど断熱性能は高くなります。高断熱であるためにはUA値 0.46以下が望ましいと言われています。
断熱等級は6以上が望ましい
断熱等級は住宅の断熱性能を評価する基準で、断熱等級が高いほど性能が高いです。


東京であれば0.46以下で断熱等級6ですので、高断熱住宅であるためには断熱等級6以上が望ましいです。



ZEH(ゼッチ)はUA値 0.56だからもうちょっと性能が欲しいね。。。
断熱等級6以上が望ましい根拠については下記の記事で詳しく解説しています。


高気密高断熱住宅のメリット
ここからは高気密高断熱住宅のメリットを掘り下げていきます。
- 光熱費を節約できる
- 快適な室内環境を年中確保できる
- ヒートショックリスクを軽減できる
- 防音性が高い
- 建物の耐久性が向上する
光熱費を節約できる


高気密高断熱にすることで冷暖房費を軽減することができ、断熱等級6では約半分にすることができます。
たとえ初期費用が多少高めでも、長い目で見たときの光熱費削減分を考慮すると、「トータルでは得になる」可能性は十分あります。特に電気代が高騰している時はそのメリットが大きくなります。
またエアコンだけで冷暖房可能なため、オール電化や太陽光発電との相性も良いです。



2025年現在の建築コストと電気代では、長期的に断熱等級6が最もお得と言われているよ。
快適な室内環境を年中確保できる


断熱等級6以上であれば、全館暖房を行っても光熱費が増えないと言われています。
全館暖房では廊下や風呂、トイレまでも暖かくすることが可能です。寒い冬でも部屋の移動にストレスがなく、家の中をとても広く使えます。



「広くて寒い家」より「狭いけど暖かい家」の方が実際は家を広く使えるよ!
ヒートショックリスクを軽減できる


出典:健康サイトbyアリナミン
「ヒートショック」とは家の中の温度差によって、血圧が急激に上がったり下がったりしてしまい、脳卒中や心筋梗塞を発症してしまう現象のことです。
「ヒートショックとは」 済生会HP
気温の変化によって血圧が上下し、心臓や血管の疾患が起こることをヒートショックといいます。この血圧の乱高下に伴って、脳内出血や大動脈解離、心筋梗塞、脳梗塞などの病気が起こります。2006年のデータですが、交通事故による死亡者が約7,000人であったのに対し、ヒートショックでは倍の14,000人が亡くなっています。
全館暖房を行うと、部屋間の温度差がないためヒートショックを予防することが可能です。
防音性が高い
隙間が少なく壁も厚くなりやすい高気密高断熱住宅は、外部からの騒音が入りにくいというメリットがあります。
幹線道路沿いや都市部など、騒音が気になる地域でも室内では静かに過ごすことができます。
家の中の音も外に逃げにくいので、楽器の練習やホームシアターなどを思い切り楽しむことが可能です。
建物の耐久性が向上する


気密のところでも解説しましたが、壁内結露を防ぐことで耐震性や家の耐久性を維持することができます。
建った直後の性能が高くても、それが維持されなければ全く意味がありません。家の性能を維持するための基礎になるのが気密です。
高気密高断熱住宅のデメリット
メリットが多い一方で、高気密・高断熱住宅にはやはり注意すべき点もあります。
知らずに建ててしまうと、後から「こんなはずじゃなかった!」となりかねないので、事前に把握しておきましょう。
- 建築コストが高くなる
- 換気不足だと空気がよどむ
- 断熱だけでは内部結露やカビのリスクになる
- 冬に乾燥しやすくなる
建築コストが高くなる
高性能な断熱材、樹脂サッシやトリプルガラスなど、一般的な住宅よりもコストがかかる材料を使うため、建築時の費用はどうしても上がりがちです。
また、気密を上げるためには作業をする職人さんの手間と技術が必要なため、人件費も高くなります。


ただし、断熱や気密の性能がアップした分、冷暖房設備の数や容量を小さくできたり、長期的な光熱費の削減が見込めたりします。長期的なコストで考えると、断熱等級6ではお得になることが多いです。



我が家はエアコン2台(夏用と冬用)で全館空調できるから、エアコンの買い替え費用が半分以下だよ!
補助金や減税制度が利用できる場合もあるので、建築計画の段階で確認しておくと良いでしょう。
換気不足だと空気がよどむ
高気密住宅は自然換気に頼ることが難しいため、24時間換気システムが適切に機能していないと空気がよどんだり、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒド濃度が高くなったりします。
換気扇のフィルターの清掃を怠ると、換気能力が低下しますので、定期的なメンテナンスが必須です。
断熱だけでは内部結露やカビのリスクになる
断熱性能が上昇すると、室内と外の温度差が大きくなります。その状態で気密が取れていないと、かえって壁内結露が発生しやすくなってしまいます。
内部結露は壁の中で起きて目に見えにくい分、発覚したときにはカビや木材の腐食が進んでいる可能性があるので厄介です。
住宅会社を選ぶ際には、気密についてどのように考えているか細かく確認すると良いでしょう。



気密が重要と言われるようになったのは、寒冷地で断熱性能ばかり上げてカビだらけの住宅ができちゃったからなんだ。
冬に乾燥しやすくなる
高断熱住宅が乾燥しやすいというのは室温がしっかり上昇するからです。
冬に家をしっかり暖められる反面、室内の相対湿度が下がりやすい傾向があります。水蒸気が出るストーブではなく、エアコン主体の暖房であることも理由の一つです。
加湿器を利用したり、洗濯物を部屋干しすることで十分対策できます。むしろ気密が取れていれば外の乾燥した空気が入りにくいため部屋の湿度も維持されやすいです。
高気密高断熱住宅を建てる際の注意点
メリット・デメリットを把握したところで、実際に「じゃあ建てるときに何に気をつけたらいいの?」という疑問が出てきますよね。ここでは、設計や施工の段階で押さえておくべきポイントを挙げていきます。
- 適切な換気システムを導入する
- 設計段階で空調計画を行う
- 日射遮蔽や日射取得も考える
- 施工実績のある建築業者を選ぶ
適切な換気システムを導入する
第1種換気(機械の力で吸気と排気を行う)が温熱と湿度を考えると理想的とよく言われますが、地域の気候やランニングコスト、メンテナンス性なども考慮したうえで検討しましょう。
初期コストに見合わない場合もあり、温暖地では第3種換気(機械の力で排気を行うが、吸気は自然吸気)でも良いかもしれません。住宅会社と相談してみると良いでしょう。
どちらの換気方法を選んでも、掃除を怠ってしまうとむしろ健康に害を与えますので気をつけてください。



第1種換気はメンテナンスが命だから、覚悟して導入するようにね!
設計段階で空調計画を行う
高気密高断熱住宅の場合、エアコン1台で全館冷暖房が可能です。
しかし、そのためには空気の流れを考えた間取りや吹き抜けなどをしっかり設計しなければ、実際は想定どおりの室温にならない可能性があります。
空調計画が適切に行える会社かどうかも選ぶポイントです。
施工実績のある建築業者を選ぶ
同じ図面でも、施工技術が不十分だと気密測定の結果が大きく変わります。
わずかな隙間でも積み重なるとC値が1.0を超えてしまうこともあり、「思っていたより気密が取れなかった…」という残念な結果になりかねません。
しっかりと気密測定を行って数値を公開している業者や、過去の実績で高気密住宅を多数手掛けている会社なら、信頼度はアップします。
高気密・高断熱住宅の効果を最大化する方法
気密や断熱以外の重要なポイントを解説します。
日射遮蔽や日射取得も考える
断熱と気密だけ重視すれば快適な家になるというのは安易な考え方です。
快適な家づくりのためには、太陽の光をうまく利用するパッシブ設計が重要です。


南側の軒を適度に出すことで、角度の低い冬の太陽光は取り込み、角度の高い夏の太陽光は遮ることができます。
東や西の大きな窓には、夏の時期だけ下ろせるように可動性のアウターシェードを付けることがオススメです。
太陽光があまり期待できない東西北の窓はできるだけ小さくして熱の流出を抑え、しっかり日差しが入る南の窓は大きくすることで暖かい家にすることができます。
熱橋対策を行う
柱や金具、基礎、屋根、窓周りなど、断熱材を回しにくい部分が「熱橋」と呼ばれる断熱の弱点になりがちです。外断熱にしたり、断熱材を注入して施工したりする技術が求められます。
断熱等級7になってくると熱橋対策の有無で、断熱性能には大きな差が出ると言われています。



熱橋が気になる人は営業さんにどんな対策をしているか聞いてみるといいよ。
メンテナンスを徹底する
どれだけ高性能な住宅でも、メンテナンスを怠ると性能低下は避けられません。数年ごとの住宅会社の点検がちゃんと行われるか確認しましょう。
シロアリや雨漏りなどのトラブルを放置すると、せっかくの高性能が台無しになるケースもあります。
定期点検と早めの補修でトラブルを最小限に食い止めるのが長持ちの秘訣です。
高気密高断熱な優良ハウスメーカー・工務店の探し方
では、高気密高断熱な住宅会社をどのように探したら良いでしょうか。
探す際には、下記のポイントに注目すると良いと思います。
- 断熱等級6以上を標準としている
- 全棟気密測定をしており、C値 1.0以下を標準としている
- 窓ガラスは東西北面がトリプルサッシ(南面は温暖地ならペアも可能)で樹脂サッシである
- 日射遮蔽と日射取得についての配慮がある
- 長期優良住宅を取得している(最低限の耐久性、防蟻処理)
- ホームページやYoutube、SNSで具体的な数字を提示して情報発信をしている(会社の信頼性)
ハウスメーカーなら一条工務店が一強
ハウスメーカーから高気密高断熱住宅を選ぶなら一条工務店が間違いないです。
「家は性能」をスローガンに、数十年前から高性能住宅を建築しています。日本の住宅業界の高性能化を牽引してきたのは一条工務店の業績と言っても過言ではありません。
一条工務店については下記の記事で詳しく解説していますので、興味がある方はぜひご覧ください。


工務店なら丁寧に自分で探していくしかない
我が家が契約したエコワークス
工務店で探すのであれば、我が家を建築してもらったエコワークスはとてもおすすめです。
高気密高断熱なだけでなく、エアコン1台で全館床暖房ができる「床下エアコン」を標準仕様としており、木の香りと天然素材の質感の高さから心から安らぐマイホームが実現できます。
元々は熊本・福岡の地域工務店でしたが、2025年から神奈川オフィスも開設され、最近は全国に対応エリアが広がってきています。インスタグラムフォロワー数も33万人を超え、建築業界で全国第2位です(2025年1月現在)。
エコワークスについては下記の記事で詳しく解説しています。


全国工務店リスト
耐震についての第一人者である佐藤さんが運営する「構造塾」が提供する「全国工務店リスト」は、高性能な工務店を探すのにとても役立ちます。
あくまで参考資料ですが、このリストに載っている工務店は性能を重視した工務店が多いです。



私もこのリストがきっかけで我が家の工務店エコワークスを見つけました!
ちなみに、構造塾の佐藤さんは「耐震・構造」で知らない人はいないくらいのプロ中のプロです。
耐震についての有益な動画もたくさんありますので参考にしてみてください!
家づくり百貨


「家づくり百貨」は兵庫県で高性能住宅を手掛けている「クオホーム」の本田さんが運営しているサイトです。
本田さんが認める全国の性能を重視した工務店が掲載されており、こちらのサイトも信頼性が高いです。
新住協会員かチェック
性能について重視している工務店団体の「新住協」に加盟している工務店かどうかも、選ぶ際のポイントです。新住協会員は性能について意識が高く、ちゃんと勉強していることが期待できます。
ただ、最近は「新住協」に加盟していることを売りにしているだけで、勉強や新住協活動をしていない『幽霊部員』工務店もいるようですので、加盟しているからといって盲信しないことも重要です。
最後は自分の感性を信じる
情報収集も大事ですが、最終的に決めるのは自分の感性です。
イメージやポエム(「通気性が良い素材だから家中涼しい」「〇〇工法だから地震に強い」など)ではなく、ちゃんと客観的なデータに基づいた説明があるか。


担当営業さんの人柄や誠実さ、質問には明確な回答があるか。極端なセールストークや他社批判がないか。
モデルハウスの素材や質感、雰囲気が自分たちの好みと合っているか。
ホームページや資料からは分からないところを実際に自分の五感で感じることがとても重要です。



パンフレットやホームページでは良さそうだったけど、実際に見てみるとなんか違ったってことは良くあるよ!
よくある質問(Q&A)
これまで解説してきたこと以外に、よく聞かれる疑問をまとめました。
Q. 高気密高断熱にしなくても、冷暖房費をかければ良くない?
A. 高気密高断熱住宅の最大の魅力は、部屋の中や部屋間の温度差がない快適さと家の寿命を延ばせることです。
暖房だけでは、床や窓辺が冷たい不快感や風呂やトイレのヒートショックリスクが残りますが、高気密高断熱なら温度差が少なく快適です。
さらに、結露による断熱材や柱の劣化を抑えることで、家を長持ちさせる効果もあります。冷暖房費だけでは得られない、快適さと耐久性が手に入るのが高気密高断熱住宅です。
Q. 高気密高断熱住宅の初期コストはどれくらい高いの?
A. 一般的には数十万〜数百万円単位でアップすると言われていますが、実際には建物の規模、使う断熱材や窓のグレード、施工会社の標準仕様などによって幅があります。
長い目で見れば、光熱費の削減やメンテナンス費用の減少、家の資産価値の維持を含めてメリットがあるため、決して損にはなりません。また、自治体や国の補助金を利用できることもあるので、上手に活用すれば負担を軽減できます。
Q. 高気密高断熱住宅にすると結露は完全になくなる?
A. 施工がしっかりしていれば、一般的な住宅に比べて結露は起きにくくなります。
ただ、室内環境や住まい方によってはまったくゼロにはなりません。例えば、とても寒い日に過度な室内の加湿をするなど、湿度が高い空気が冷やされれば高性能な窓でも多少の表面結露が生じる場合があります。
Q. 夏は暑くならないの?
A. 高気密高断熱住宅は屋外の熱を遮断できますが、一旦入った室内の熱も逃げにくくなります。直射日光が入ってしまうと暑くなりやすくなるため、夏は日射をいかにカットするかが重要です。
軒やアウターシェード、すだれなどで直射日光を遮ることがとても重要です。一方、冬は日射をしっかり入れることで暖かくすることができます。
Q. 床暖房は必要?
A. 高気密高断熱であれば、エアコンだけでも十分暖かくできるため必須ではありません。
しかし、床暖房の「足元からじんわり暖かい感覚」はとても快適で、高気密高断熱であれば熱が逃げず光熱費もかかりにくいため相性はとても良いです。コストと相談して決めると良いでしょう。
まとめ


高気密高断熱住宅は、全館冷暖房の実現、部屋の快適性の向上、結露リスクの低減による耐久性向上など、さまざまな魅力があります。高気密高断熱ブームが到来した今、性能アップのためのコストの低下も起きてくるはずです。
家づくりは人生で最大の買い物と言われますが、性能を重視して建てた家は住み始めてからのストレスや不満が少なく、結果的に「建てて良かった!」と思えるはずです。
ぜひこの記事を参考に、性能面でも後悔のないマイホーム計画を進めてみてください。
それではまた!