【使用感レビュー】小屋裏エアコンのメリットとデメリット、失敗しないためには

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小屋裏エアコン

「廊下や脱衣所が暑くて、家事で汗だく…」

「狭い部屋でエアコンつけると寒いし、消すと暑い」

せっかくマイホームを建てるなら、家中快適でどこに行ってもストレスを感じない生活ができると幸せですよね。

しかし、いわゆる「全館空調」では導入時や故障時のコストが大きくなるため、断念する人も多いです。

そんなあなたに紹介したいのが、導入コストもそれほど高くなく、維持コストも抑えられる「小屋裏エアコン」です。

X(旧Twitter)上でも小屋裏エアコンは快適すぎるというの声がみられます。

エアコン

「小屋裏エアコン?どんな仕組み?」

「聞いたことはあるけど、本当に家全体が涼しくなるの?」

まだ小屋裏エアコンについてよく知らないあなたのために、仕組み、メリット・デメリット、そして上手な付き合い方まで、家づくり初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。

実際に小屋裏エアコンを導入した我が家のリアルな意見を含めて、忖度なく解説していきます。

おもきちパパ

私自身は小屋裏エアコンはメリットばかりではないため、万人におすすめするものではないと考えています。

この記事を読めば、あなたの家族にとって小屋裏エアコンを導入した方がいいか、ちゃんと判断できるようになります。

では、行ってみましょ—!

もくじ
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我が家を例に小屋裏エアコンを解説

まずは実際の我が家を例に小屋裏エアコンを解説します。

市販のエアコンで小屋裏を冷房する

小屋裏
我が家の小屋裏エアコン

小屋裏空間に市販のエアコンを設置して冷やし、冷えた空気をガラリ(床や壁の開口部)やダクトのファンを使って各部屋に送っています。とてもシンプルな仕組みですね。

おもきちパパ

我が家は市販の14畳エアコンを設置してるよ

家中が均一に冷房される

温湿度計(7月)

7月中旬の実際の我が家の温湿度計です(小屋裏エアコンからの冷気の吹き出し口がある部屋には)。

屋外が33.1℃に対して、LDKを含む居室はどこでも25.8℃〜26.8℃の1℃以内に維持されています。

この日は快晴で屋外の(相対)湿度が低かったため、室内の方が湿気が多く見えますが、実は人が不快を感じる絶対湿度は室内の方が低く、カラッとしていてとても快適です。

小屋裏エアコン
リターン口とエアコン

居室の空気はウォークインクローゼット(WIC)にある「リターン口」を通って自然と小屋裏に流れていきます。

「リターン口」というのは小屋裏に暖気が戻ってくる開口部のことで、我が家はWICに設置しています。

リターン口
リターン口とエアコンのサーモカメラ画像

別の日のサーモカメラ画像ですが、リターン口からは暖気が入ってきているのが分かりますね。それをエアコンが吸い込み、冷えた空気は再び小屋裏から居室に戻っていきます。

小屋裏エアコンの前提条件を分かりやすく解説

上記で解説したように小屋裏エアコンは比較的シンプルな仕組みです。しかし、単に小屋裏にエアコンを置けば完成、というわけではありません。

その前提条件を見ていきましょう。

断熱・気密性能が高いことが必須

断熱等級ピラミッド
断熱等級

小屋裏エアコンを導入するにあたって、一番重要となるのが「高気密・高断熱」であることです。

小屋裏エアコンは小屋裏をキンキンに冷やして居室を冷房する仕組みではありません。強く冷やしすぎると小屋裏が結露するリスクがあるため、適度な温湿度管理が求められます。

したがって、屋根や居室の断熱性能が低いと冷房効果が大きく落ちてしまうのです。

具体的には、以下のような高気密・高断熱性能が確保されていることが必須となります。

高気密・高断熱とは
  • 高気密:家の隙間が少なく、空気が漏れないこと。(目安C値 0.5以下)
  • 高断熱:壁や屋根、窓の断熱性能が高いこと。(目安UA値 0.46以下、断熱等級6以上)

性能の低い家で小屋裏エアコンを導入しても外の暑い熱がどんどん入ってきてしまい、「全然涼しくならない…」という最悪の結果を招きます。

屋根断熱であること

屋根断熱と天井断熱

小屋裏空間そのものを冷やすため、その上の屋根をしっかりと断熱する「屋根断熱」が必須です。

2階の天井(小屋裏の床)で断熱する「天井断熱」では、小屋裏が灼熱になってしまうため採用できません。

暖房用のエアコンは別に設置する

床下エアコン
我が家の床下エアコン

小屋裏エアコンはあくまで「冷房専用」のエアコンです。

暖かい空気は軽く、高いところに留まる性質があるため、小屋裏から暖房しても効率良く部屋を温めることはできません。

冬の暖房用には1階の床下などに別途エアコンを設置する「床下エアコン」や、通常の壁掛けエアコンなどを利用するのが一般的です。

床下エアコンについては下記の記事で詳しく解説しています。

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以上のように、導入のためには必須の前提条件があります。

小屋裏エアコンの前提条件
  • 高気密高断熱であること
  • 屋根断熱であること
  • 暖房用のエアコンを別に準備すること

小屋裏エアコンの魅力的なメリット6選

仕組みや前提条件が分かったところで、実際のメリットを解説していきます。

正しく設計・施工されれば、小屋裏エアコンは他の冷房方法にはない素晴らしいメリットをもたらしてくれます。

1. ドアを閉めていても冷房できる

涼しさ

小屋裏エアコン最大の魅力は、ドアを閉めたプライベートな空間も快適な涼しさにできることです。

高気密高断熱の家であれば、通常のエアコン1台で家全体を冷房することは可能ですが、その部屋を冷やすにはドアを開けておく必要があります。

しかし、小屋裏エアコンなら天井から各部屋へ直接冷気を送るので、ドアを閉めていても大丈夫です。

さらに、子ども部屋や書斎のような狭い空間にありがちな「エアコンをつけると寒いし、切ると暑い」という問題もありません。適度な涼しさで、家族みんなが快適に過ごせます。

2. 冷たい風が直接体に当たらない

リターン口
エアコンの吹き出しは12℃になっている

壁掛けエアコンの「冷たい風が直接当たって体がだるい…」という経験はありませんか?

エアコンの風は10℃程度の冷たい風が吹き出しますが、小屋裏の温度は23℃〜25℃に設定するので、実際に各部屋に下りてくる風は直接当たっても冷たくありません

体を冷やしすぎることがないので、体温調節が苦手な赤ちゃんや冷え性の方にはとても嬉しいポイントです。

3. エアコンの交換費用が抑えられる

浪費

全館空調システムが故障した場合、交換には100万円以上かかることも珍しくありません。

しかし、小屋裏エアコンなら市販の6畳〜14畳のエアコンなので、10万円~20万円程度で交換可能です。将来的なメンテナンスコストを大幅に抑えることができます。

4. 部屋の景観がスッキリする

LDK
我が家のLDK

各部屋の壁にエアコンを設置しないため、壁面がスッキリして部屋の生活感をグッと抑えることができます。

おしゃれなポスターを飾ったり、好きなデザインの壁紙を選んだり、理想の空間づくりを邪魔するものがありません。

知っておくべきデメリットと対策

魅力的なメリットの一方で、知っておくべきデメリットもあります。対策と合わせて理解しておきましょう。

1. 極端に暑がりな人は向いていない

暑い

小屋裏エアコンは家全体を「ゆっくり、じんわり」涼しくするシステムです。

具体的には、室温24〜26℃、湿度50%台が運用の目安になってきます。

20℃前後のキンキンに冷えた部屋が好きな人や、汗っかきで極端に暑がりな人には少し物足りなく感じる可能性があります。

おもきちパパ

実際にモデルハウスなどで体感するといいよ!

2. 急に冷やすことができない

温度計

ホームパーティーなどで急に人が大勢集まると、涼しさが追いつかなくなることがあります。これも小屋裏を介して緩やかに各部屋を冷やしているためです。

人が集まることが分かっている場合は、事前に設定温度を少し下げたり、ダクトファンの風量を強くしておくなどの工夫が必要です。

3. 過度に冷やしすぎると結露が発生する可能性がある

結露

小屋裏空間は屋根の熱や壁との間に温度差が生じやすい場所です。

小屋裏を冷やしすぎると屋根との間の空間に結露を生じることがあります(夏型結露)。

結露すると壁の中が腐ったりカビが生えたりして、断熱・気密性能の低下や最悪の場合には柱が腐って耐震性能まで低下する可能性があります。

あまり小屋裏の温度を下げることができないのは結露防止が理由です。

4. 故障したら家中の冷房ができなくなってしまう

工事

家全体の冷房をエアコン1台で行うため、それが壊れた時は冷房行うエアコンがなくなってしまいます。

すぐに修理や交換が行えれば良いですが、時間がかかる場合は大変です。緊急で暖房用エアコンを冷房として使ったり、扇風機などを購入する必要があります。

高気密高断熱住宅では過度な温度上昇も避けることができるため、通常の住宅よりは温度が上がりにくいです。

小屋裏エアコン設置のポイントと注意点

メリットとデメリットが理解できたでしょうか。

ここからは実際に小屋裏エアコンを導入したいと考えている人が後悔しないためのポイントをお伝えしたいと思います。

設計実績のある工務店に依頼する

工務店

今までもお伝えしましたが、小屋裏エアコンはただ適当に設置すればうまく行くものではありません。

家の断熱・気密性能を高いレベルで実現し、家全体の空気の流れをちゃんと計画できる、経験豊富な住宅会社に依頼することが大切です。

また、引き渡し後の運用も湿度や温度管理、空気の流れを作ったりするためのコツが必要なことがありますので、使い方を指導できる住宅会社であることが必要です。

屋根断熱を十分に行う

夏の屋根は直射日光を受けて非常に高温になります。

その熱が小屋裏に伝わらないよう、屋根に十分な性能の断熱材をしっかりした厚みで施工していることが不可欠です。

断熱の指標であるUA値はあくまで家全体の平均的な断熱性能を示す値であるため、屋根自体の断熱がしっかり施行されているかを確認することが重要です。

窓の設計、日射遮蔽を考えておく

窓

小屋裏エアコンは冷房能力がそれほど高くないため、家の中に熱を入れない工夫が非常に重要です。

室内に熱が入る一番の原因は「窓」です。

断熱性能の高い窓を選ぶことはもちろん大切ですが、夏の日射はそれだけでは防げません。窓のサイズや配置にも注意が必要です。

東西面の窓は朝夕に横から強い日差しが入るため、景観や換気のメリットがない限り、できるだけ小さくするのがおすすめです。

おもきちパパ

我が家は西側に擁壁があるので、西日が入らないメリットになりました!

特に小さな部屋に大きな窓をつけてしまうと、その部屋だけ極端に暑くなってしまうことがあります。

さらに、庇(ひさし)やアウターシェードを使って、日差しを家の外で遮る工夫も効果的です。これにより、熱を室内に取り込まずに済み、冷房の効率を高めることができます。

小屋裏エアコンを快適に使うには、設備に頼るだけでなく、入ってくる熱対策をあわせて考えることが大切です。

部屋の広さと人数を考慮する

部屋の大きさや人数を考慮して、その部屋へどのくらいの冷気を配るか検討しましょう。

例えば、LDKは空間も大きく人数も多く過ごすことが多いため、ファンを多くつける必要があるかもしれません。

一方、書斎は部屋も狭く1人で利用するため、送る冷気は少なくて済みます。

おもきちパパ

小さい子供と一緒に寝る場合、寝室は人の密度が高くなるため、注意が必要だよ!

各部屋への送風ダクトは最低限の長さにする

小屋裏

小屋裏エアコンでは、ガラリ(開口部)やダクトを通じて各部屋に冷気を送りますが、ダクトはできるだけ短く計画することが望ましいです。

というのも、ダクトが長くなると内部に埃がたまりやすくなったり、結露によってカビが発生するリスクが高まるからです。

設計段階で無理のないダクト配置を検討し、最小限の長さで効率よく送風できる計画を立てることが大切です。

【徹底比較】壁掛けエアコン、全館空調と何が違う?

ここで、他の冷房方式との違いを表で整理してみましょう。いずれも高気密高断熱が前提です。

項目小屋裏エアコン壁掛けエアコン全館空調
初期費用やや高め安い高い
快適性家中が快適ドアを開けておく必要家中が快適
風の不快感なし設置場所次第機種による
電気代安い安い機種による
メンテナンスこまめな掃除が必要市販品でラク専門業者が必要
交換費用安い安い高い
デザイン性良い良くない良い

小屋裏エアコンは家中が快適になり、電気代や交換費用も安く、デザイン性や健康にも優しいというメリットが豊富です。

メンテナンスや導入時の注意ポイントはありますが、壁掛けエアコンの「手軽さ」と全館空調の「快適性」の”いいとこ取り”をしたシステムと言えるかもしれません。

どんな人におすすめ?

最後に小屋裏エアコンがどんな人に向いているか、私の独断と偏見で考えてみました。

小屋裏エアコンが向いている人

掃除

小屋裏エアコンは導入したら終わり、ではありません。

暮らし方に応じてこまめにエアコン設定やファンの風量、サーキュレーターによる空気の流れなど、調整していく必要があります。

小屋裏エアコンが向いている人
  • あまり暑がりでない人:キンキンに冷やすのではなく、穏やかな涼しさを好む人。
  • 住み方に応じて調整ができる人:サーキュレーターを併用するなど、暮らしの中で工夫を楽しめる人。
  • 高気密高断熱が好きなマニア気質な人:家の性能や仕組みに興味があり、学ぶことが好きな人。
  • 住宅会社とうまくやり取りができる人:施行後の住み方など、住宅会社と二人三脚で家づくりを進められる人。
おもきちパパ

私は寒がりで、試行錯誤が大好きで、マニア気質です(笑)

小屋裏エアコンが向かない人

暑がり

一方、小屋裏エアコンが向いていない人は下記のような人だと思います。

小屋裏エアコンが向いていない人
  • 暑がりな人:とにかくキンキンに涼しくないとダメ!という人。
  • 細かいことが面倒くさい人:色々と調整するのが面倒な人。
  • 絶対に失敗したくない人:夏型結露などのリスクを取りたくない慎重派の人。

小屋裏エアコンが施工可能な住宅会社探し

最後に、最も重要なパートナー探しについてです。

ハウスメーカーでは施工できないことが多い

多くの大手ハウスメーカーは、仕様がある程度決まっている規格住宅がメインです。

残念ながら、小屋裏エアコンのような特殊な設計を行っているハウスメーカーはありません

高気密高断熱を重視している、施工に慣れた工務店を探そう

狙うべきは、地域に根ざした実力派の工務店です。 以下の点に注目して探してみましょう。

いずれも絶対ではありませんので、最後は自分の考えや感覚を重視して決めましょう。

探すポイント
  • 住宅性能数値の公開:断熱性能を示すUA値や、気密性能を示すC値をきちんと測定し、公表しているか。特にC値は0.5以下が一つの目安になります。
  • 施工事例:過去に小屋裏エアコンや床下エアコンを手掛けた実績が豊富か。
  • YoutubeやSNSでの発信: 温熱環境や家の性能について、客観的な情報を発信しているか。
  • 松尾設計室」松尾社長の指導:小屋裏エアコンの第一人者である松尾設計室松尾社長の指導を受けているかどうかという点は信頼性において一定の担保があります。
  • 独自システムでないか:〇〇システムのようなその会社独自の空調計画は、その会社が倒産してしまうと修理や交換ができなくなってしまう可能性があります。

エコワークスは松尾社長の指導の元、小屋裏エアコンを施行可能

我が家を建ててもらった「エコワークス」は松尾社長の指導の元、2021年ごろから小屋裏エアコンを施行しています。

対象エリアも九州だけでなく、関東や関西まで広がっています!

エコワークスの施工可能エリア(2025年2月現在)
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まとめ:小屋裏エアコンは「信頼できるパートナー」が成功の鍵

小屋裏エアコンは、少ないエネルギーで家全体を快適な涼しさで満たしてくれる、非常に魅力的なシステムです。

しかし、その成功は信頼できるパートナー探しにかかっていると言っても過言ではありません。

この記事が、あなたの家づくりの選択肢を広げ、後悔しないための判断材料となれば幸いです。

では、また!

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